あなたの理想体重は、どのくらいですか?
どのくらいの体重だと太っていると感じますか?
若い女性は「痩せているほうが美しい」と感じる方が多いように見受けられます。
テレビや雑誌などのメディアでも、痩せている女性を目にする機会は多いでしょう。
しかし、極端に痩せている「低体重」の場合、さまざまな健康障害を引き起こす恐れがあります。
それも自分の健康だけでなく、将来生まれてくる子どもにまで影響を及ぼすこともあるのです。
そこで今回は、女性の低体重・低栄養について解説します。ご自身の理想の体型と、理想の将来について考えながらご覧ください。
20代女性の約2割が低体重
令和5年に行われた国民健康・栄養調査では、20歳代女性のうち約20%の方が低体重だったと報告されています。
これは、先進国の中でもとくに高い割合です。なお、低体重はBMIが18.5未満のことをいいます。
BMIとは肥満度を示す指標のことで、身長と体重を用いて次のように計算します。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
たとえば、身長160cm、体重が55kgの場合、計算方法は下記のとおりです。
55(kg)÷1.6(m)÷1.6(m)≒21.5
ちなみにBMIの標準値は22で、22に近いほどさまざまな病気にかかるリスクが低いといわれています。
一方、肥満と判定されるのはBMI25以上です。
低体重の若年女性が考える肥満とは
痩せている(低体重の)女性は、理想体重の設定が過度に低い傾向にあるといわれています。
そのため、BMIが25を下回っていても太っていると感じる方が多いようです。
あなたは、自分がどれくらいの体重になったら太っていると感じますか?
思い浮かんだ数字と自分の身長をもとに、BMIを算出してみましょう。
算出されたBMIが25前後であれば、ボディイメージとBMIの判定にギャップが少ないといえます。
一方、低体重の若年女性が肥満と感じるBMIは20.5であったとの報告もあります。
つまり、低体重の女性の場合ボディイメージに歪みが生じている可能性があると考えられるのです。
低体重や低栄養が及ぼす健康リスク
若年女性の低体重や低栄養には、さまざまなリスクが伴います。
いつまでも自立した生活を送りたい、歳を重ねてもたくさん旅行したいなど、理想の生活が送れなくなるかもしれません。
どのような健康リスクがあるのか、見ていきましょう。
筋力や骨への影響
若年女性の低体重や低栄養は、筋肉低下と関連があるとも考えられています。
筋量や筋力が低下すると、歳を重ねたときに自立した生活が送りにくくなるかもしれません。
また若年期は、骨密度を高めるもっとも重要な時期です。
この時期に低体重や低栄養であると、将来の骨粗鬆症リスクが高まると考えられています。
生殖機能への影響
低体重や低栄養は、月経不順や排卵障害を引き起こします。
そのため、妊娠しにくくなる可能性があるでしょう。
また妊娠できても、切迫早産など妊娠中のトラブルへの影響があると考えられています。
さらに低体重の方が妊娠すると、低出生体重児のリスクが高まるなど、生まれてくる子どもの健康に影響を及ぼす可能性もあります。
栄養不足による影響
低栄養の場合、ビタミンやミネラルの不足が生じやすいです。
たとえば鉄や葉酸、ビタミンB12が不足すると貧血を引き起こします。
ほかにも、ビタミンDやカルシウムが不足すれば骨粗鬆症や骨折のリスクが高まります。
このようにビタミンやミネラルが不足すると、さまざまな健康障害が生じる可能性があるのです。
代謝への影響
低体重は、代謝異常を引き起こします。
日本人の若年女性を対象とした研究でも、低体重の場合に耐糖能異常(※)のリスクが高いと報告されています。
(※)耐糖能異常とは、血糖値が通常より高い状態だが、糖尿病と診断するほど高くない状態のこと
摂食への影響
痩せたい気持ちが強く、過度に食事制限すると摂食障害を引き起こす恐れがあります。
「痩せないと可愛くなれない」などの心理的ストレスや自己肯定感の低下により、摂食障害が重症化することもあるようです。
全身への影響
低体重や低栄養の状態では、さまざまな身体症状を引き起こすことが知られています。
・だるさ
・睡眠障害
・低血圧
・頭痛
・便秘
・冷え性
・肌質や髪質の低下
ほかにも、うつや不安、集中力の低下など精神的な症状が現れることもあるでしょう。
まとめ
痩せて細くなりたいからと食事を減らしすぎると、身体へのダメージは大きくなります。
理想の体型だけでなく、将来どのように生活したいかも考えながらご自身の身体や食生活を見直してみましょう。
参考文献
日本肥満学会
閉経前までの成人女性における低体重や低栄養による健康課題 ―新たな症候群の確立について―
厚生労働省
令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要
